「FXで1日10pips」
それを実際に毎日コツコツと実行して億万長者となったトレーダーがいる。
その名もフーサイン・ハーネカー氏だ。
「10pipsとったら1日のトレードは終わり!」
それだけで元手10万円から億万長者となったのだ。
- フーサイン・ハーネカーってどんな人?
- フーサイン・ハーネカーの手法は?
今回は1日10pips手法で有名なフーサイン・ハーネカー氏について紹介していこう。
1.フーサイン・ハーネカーってどんな人?
フーサイン・ハーネカー(Hoosain Harneker)は南アフリカ出身のトレーダーだ。
彼は共同事業に失敗してほぼ無一文になるという絶望を味わうが、そこから7か月間コツコツとお金を貯め、「1,000ドル(約14万円)」を元手にFXを始めた。
非常に堅実で慎重な性格であった彼は、
- デモトレードで3回連続で資金を2倍にしないと実践トレードをしない
- 1日10pips分の利益をとったらその日トレードはしない
という異端ともいえる慎重さで、無一文から一気に億万長者へと上り詰めた。
「1日10pips」は今でこそFXでは有名な考え方だが、これを世に広めた人こそがフーサイン・ハーネカー氏なのだ。
彼の考え方は「FXの小鬼たち」という書籍で垣間見ることができる。
12人の成功したトレーダーから「成功の秘訣」をインタビュー形式で学ぶ趣旨の本で、12人のうちの1人として紹介されている。
2.フーサインハーネカー氏の手法とは?
フーサイン・ハーネカー氏の手法の具体的な内容についてはあまり触れられていないが、ある程度は書籍内で語られている。
フーサイン・ハーネカー氏の手法
- 主に使用していたテクニカルは移動平均線
- 使用チャートは30分足
- 通貨は主にユーロドル・ポンドドル
- 特定の時間帯や経済指標時はトレードをしない
- 「+10pips」or「-20pips」に達すると1日のトレード終了
- 負けたトレードは徹底的に分析
2-1.移動平均線のクロス
当時の彼が主に使用していたテクニカル指標は「移動平均線」といわれている。
具体的な使い方は明かされていないが、おそらく移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスを根拠にエントリーしていたのではないかと推測されている。
※移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロス
※移動平均線「5MA」「13MA」を使った例
※ドル円5分足
2-2.使用チャートは30分足
1日10pipsということはスキャルピングで短期売買を繰り返していたと推測されるが、使用していたチャートは「30分足」と比較的長い時間軸だったそうだ。
2-3.通貨は主に「ユーロドル」と「ポンドドル」
フーサイン・ハーネカー氏がトレードしていた通貨ペアはユーロドル(EUR/USD)とポンドドル(GBP/USD)だ。
2-4.特定の時間帯や経済指標時はトレードをしない
彼はGMT時間の朝7:00~夕方18:00の時間帯はトレードをしないと決めていた。
GMT時間と日本時間との時差は9時間になる。
GMT朝7:00~夕方18:00は、日本時間でいえば『夕方4:00~深夜3:00』となる。
この時間帯はFXでいうと、市場が最も活発になるロンドン勢~ニューヨーク勢が参加する時間帯だ。
彼はあえてこの時間でのトレードを避けていた。
この時間帯はアメリカの雇用統計やFOMC・ECBなどの中央銀行の金利発表のような重要なイベントも多く、テクニカルを無視した動きも出やすい。
彼はそういったイレギュラーで負けるリスクを極力避けていたのだろう。
2-5.「+10pips」or「-20pips」に達すると1日のトレード終了
利確は+10pipsで決済されるようT/Pを設定。
損切りは-20pipsで決済されるようS/Lを設定。
どれだけ大きく利益が取れそうでも必ず10pipsで利確をし、その日のトレードは終了だ。
ただし、反転する可能性が高いと判断した場合は10pipsに届いてなくても利確することがあり、1回のトレードで必ず10pipsというわけではないようだ。
7pipsほど利が乗っている場面で逆に行きそうなら利確をすることもあるし、損切ラインを+3pipsのところまで引き上げて利益を確保することもある。(トレール注文)
彼はプラスだったものがマイナスになるということが非常に嫌いな性格らしく、トレール注文などで利益を確保しておくのは自分のメンタル的にもかなりの重要とのことだ。
ちなみに20pips負けた場合も同様にその日のトレードは終了する。
負けると人間は熱くなりやすいので負けたまま終わらせるというのが意外に難しい…
2-6.負けた日はトレードを徹底分析
フーサイン・ハーネカー氏はトレードで負けるたびに負けた要因を徹底的に分析していた。
負けた後に実践するときでもデモで資金を3回2倍に増やすまでトレードしないという徹底ぶりだ。
その結果、トレードの勝率を飛躍的に上げることができている。
トレードで負けた際、なぜ負けたのかを考えるトレーダーは少ないが、この徹底ぶりは決して誰にでも真似できるものではないだろう。
3.【複利効果】で資産は爆発的に増加していく
「1日10pipsだけなら、かなり時間がかかるんじゃ…?」
よくわからない人なら直観的にこう思うかもしれない。
しかし、この手法、値幅は10pips固定だが、ロット(枚数)は常に同じではない。
いわゆる複利運用を行っているのだ。
「複利」とは、得られた利益をそのまま原資にプラスして再び投資していくことをいう。
つまり、利益が増えるごとにロット(枚数)も増えていくので、勝てば勝つほど利益が雪だるま式に増えていくのだ。
3-1.10万円を1日10pips複利運用すると1年後には億を越える
複利で運用すれば、「1日10pips」でも「低いレバレッジ」でも、億を超えるまでに時間はそうかからない。
通貨ペア:ドル円
資金:10万円
レバレッジ:25倍
1日の獲得pips:10pips
たとえば上記の条件で10万円を複利運用すれば、118日後には100万円、225日後には1000万円、1年後には億を超えている計算だ。
少ない利益でもコツコツと複利運用していけば、資金は爆発的に増えていくのだ。
※複利計算は以下のサイトを利用した。FX用に作られているのでオススメ。
4.投資では掟破りの「損大利小」
投資の世界では常識となっている言葉である。
損小利大さえ実践できていれば、たとえ勝率が悪くても通算で勝つことができるのだ。
知らない人でも聞けば「当たり前でしょ!」と思うだろう。
(現実にはこれを実行するのが難しいわけだが…)
自分のトレードが損小利大になっているかどうかは、以下の式で計算される。
算出された数字はリスクリワード(損益率)という。
このリスクリワードが1を超えていれば、損よりも利益のほうが大きいトレードができているという意味だ。
- リスクリワードが『1』超え ⇒ 損小利大
- リスクリワードが『1』未満 ⇒ 損大利小
さて、フーサイン・ハーネカー氏の手法を見てみると…
利確:10pips
損切:20pips
10 ÷ 20 = 0.5
リスクリワードは「0.5」である。
つまり「損小利大」ではなく、「損大利小」の手法となっているのだ。
知らずに損大利小のトレードになっている人は多いが、フーサイン・ハーネカー氏は知っていてこのリスクリワード設定なのだ。
投資の世界ではまさに掟破りの手法といえるだろう。
5.フーサイン・ハーネカー氏の手法は「勝率」が肝
フーサイン・ハーネカー氏のような損大利小の手法で勝ち続けるために最も重要なのはトレードの勝率だ。
リスクリワードが『1』を切っていると勝率50%のトレードでも確実に負けることになる。
では、フーサイン・ハーネカー氏の手法では勝率は何%必要になってくるだろうか?
5-1.必要な勝率は65%超え!?
リスクリワードから必要な勝率を導き出すには「バルサラの破産確率表」が有名だろう。
「バルサラの破産確率表」は、今の「勝率」「リスクリワード」「リスク許容額」でトレードを続けたとき、最終的に破産する確率を表したものだ。
(ここでいう破産とは資金をすべて失うことを指す。)
※バルサラの破産確率については別記事で紹介する予定なので、詳細はここでは割愛する。
以下がバルサラの簡易的な破産確率表である。
縦の軸が「損益率(リスクリワード)」、横の軸が「勝率」、そして2つの交差するところが「破産する確率」だ。
たとえば、損益率が『1』のところ見てみると、50%の勝率では破産確率が100%になるという見方になる。
では、フーサイン・ハーネカー氏のリスクリワード『0.5』の行を見てみると…
勝率65%までは破産確率100%となっている。
破産確率を0%にまでするには少なくとも65%(理想は70%以上)を超える勝率を常に維持するトレードが必要となるのだ。
「勝率65%超えならいけるかも!?」と一見思いがちだが…
実際にやってみると、自分のメンタル的な部分も絡んでくるので、トレード回数を増やせば増やすほど勝率を維持するのはかなり難しい。
6.鉄の意志とトレードの勝率があってこそ
ここまで見てきたとおり、この手法を再現するには「常に高い勝率を維持しつづけること」が最も重要だ。
そしてそのためには自分が決めたルールをなにがなんでも曲げないという鉄の意志が必要となる。
- デモで資金を3回連続2倍にしてからでないと実践しない
- 10pips勝つか20pips負けるとその日は絶対にトレードしない
- 経済指標発表の時間はトレードしない
超がつくほど慎重な性格である彼だからこそ可能になった手法でもあるといえる。
6-1.実際にやってみたという声はあるが…
某有名掲示板では、1日10pips手法に挑戦した有志も多いが、やはり再現は困難なようだ。
以下、過去スレッドの引用。
1 :Trader@Live!:2014/10/05(日) 23:44:22.82 ID:eDPGq/fe.net
退場者9割と言われるFX個人投資家しかし1日10pipsだけを取る、逆に言えば10pips取ればそれ以上を望まず、翌日の相場に備える。
もしそれが可能であればFXが資産形成、あるいは小銭稼ぎに向いていることを証明できるのではないか。夢は小さいが比較的堅実に、そんな話を実践と経験を交えて語れたら幸いです。
↓ちなみに、過去そんなスレがあったらしい(他スレ参照)
832 名前:Trader@Live! [sage] :2014/10/05(日) 05:59:39.82 ID:PGuk2uwY
毎日必ず勝てる奴がいるのか疑問だが。
1日10pips稼ぐってスレが昔あって
色々知恵を出しあったが誰も続けてできなった。
毎日勝つことを前提条件にしてることが間違い。
5 :Trader@Live!:2014/10/06(月) 01:58:52.50 ID:mpBqkFVc.net
それを書き込んだのは俺だが、スレの名は
‘1日10ピピぐらいなら、ほぼ確実に抜けるだろ’
だったと思う。時期は2009年頃。
けっこう真面目に知恵を出しあったが、
数ヵ月継続するのも至難。俺は週50pipsを
目標で2カ月続いたがその後沈没。
1度に100pipsとか大勝できても、10pips毎日は
誰も達成できなかった。
ドル円で資金100万を複利運用すると
1年で1億オーバー2年で約160億になる。一つ間違いが、10pipsで満足するわけではない。
勝てる時はいくらでも狙う。翌日の貯金になる。
16: Trader@Live! 2014/12/21(日) 13:24:58.17 ID:j8YlS135.net
超短期トレードの今までの勝率は約95%で、利を伸ばそうとやられうパターンが大半です
エントリーしたらリミット10、ストップ20におく。この場合、勝率66.6%以上のトレードができる人であれば回数を重ねれば必ず収支はプラスになります
たった一度の損を取り戻そうと利を伸ばすために10p以上を取りに行こうとすると確率的に100%負けます
これは明確なリカクポイントは不明瞭にない、損を取り戻そうと利を伸ばそうとする心理が働き、損分を取り戻すまでリカクはしない傾向が顕著になるためです
これを繰り返していると坂道を転げ落ちるように損失は膨らみます
78: Trader@Live! 2014/12/26(金) 18:24:28.68 ID:dcGEMp0l.net
フーサインハーネカーの手法ってMAクロスの短期売買ですよね。10pips上限で損切が20pips。普通にやっていれば負ける手法ですね。裁量だったらまだわかりますけど、EAを使った自動売買ですよね。
()彼に習った人達が儲からないので訴訟を起こしたとかなんとか、何処かで見かけました。一日の獲得pipに上限を定めてコツコツと。。考え方はとてもいいとは思いますけどFXってそう毎日コツコツとはいかないんですよね。難しい。
126: Trader@Live! 2015/01/03(土) 15:20:47.69 ID:ryTc+M1W.net
ただ、理論は間違ってないんだよな。
だったら何故失敗するか?難しいかを考えよう。
大抵は目標以上とろうとして大やけど→取り返すためにさらに大やけど になるからだと思う。
俺みたいに1日6pipsとったら何があろうとポジもたず、ずーっとエロゲしてる強い意志の持ち主じゃないと難しいだろ。
138: Trader@Live! 2015/01/03(土) 17:34:54.40 ID:5QBA/sag.net
>>126
答えは簡単
毎日取ろうとする
欲をかく
損切り出来ない
まとめ
今回は「FXで1日10pips」で億万長者となったフーサイン・ハーネカーについて紹介した。
FXでは一発で大金を稼ぐというのが派手で魅力的ではあるが、彼のように地道にコツコツと複利で億を超える資産を築いた人もいる。
もちろん誰でもできることではないかもしれないが、あなたのトレードの参考に少しでもなれば幸いだ。